どうも、クロモジです
皆さんは、働かないでたらふく食いたいと思ったことはないでしょうか?
もしくは、環境に優しい暮らしをしたいと思うことはないでしょうか?
そんな方に、1年間自分ではお金を使わずに暮らしたマーク・ボイルさんの『ぼくはお金を使わずに生きることにした』を紹介したいと思います
本記事をオススメする人
・お金をかけずに生活する方法を知りたい
・手づくりの暮らしをしたい
・豊かな暮らしの背景にある問題に目をつむりたくない
安全な食糧をタダで手に入れる
お金を使わない基本はタダで手に入れること
比較的取り組みやすいのは、食べ物をタダで手に入れることだと思います
食べられる植物の知識があれば、その辺の雑草や樹木の実が食べ物になります
「となりのトトロ」や山菜採りをイメージしてもらえるとわかりやすいと思います
ボイルさんは、友人と旅をしながら木の実を集めていた他、廃棄する食糧を有機野菜を使ったレストランやスーパーからもらって食糧を集めていたそうです
「廃棄する食品」と聞くと少し引いてしまいますが、事前にお店側と交渉した上でもらっているとのこと
食品廃棄は社会問題なので、食糧が無駄にならない上にタダで食べられるので一石二鳥ですよね
廃棄をもらうのはハードルが高いと思うので、まずは食べられる植物を調べたり、植物に詳しい人と山を歩いたりして、採集できるようにしていけばいいかもしれません
必要な道具・食べ物を自作する
ボイルさんは、食べ物はもちろん、生活用品も自ら作っていたのだそうです
主食のパン作りは、パンのようなものが限界だったようですが、「材料は同じだから、これでいいだろう」と本文中で語っていました
パンづくりで思い出すのは、ソロー『森の生活』に出てくるトウモロコシで作ったパン
ソローの場合は、ボイルさんより畑作に力を入れていたり、より自然が残る湖畔で生活していたりしていましたねとはいえ、食べ物も家も自作という点では、とても似ているなと思います
調理器具は、ロケットストーブをつくっていました
ペンキや油が入っているような缶2つ・断熱材のようなものを材料に、使う際には枝や薪などを拾ってきて燃料にしていたそうです
ロケットストーブも、広島県・和田芳治さんという方が実践されていますね
ボイルさんは「生きるための調理器具」として、和田さんは「里山を食い物にする遊び道具」として使っている点が異なっていますが、作り方は似ています
以上のように、「パンがなければトウモロコシとかそれっぽいのを食べればいいじゃない」「電気がなければ他のエネルギーを作ればいいじゃない」というマインドで自作に取り組んでいることが分かります
「つながり」で物・スキルを交換し合う
ただ、自作だけでは限界があるのは事実なので、お互いの持っているモノ・知識を共有するコミュニティを利用していました
その名もフリーエコノミーコミュニティ
ボイルさんが金なし生活を始める前に、少しずつ進めていたプロジェクトです
「お金がなくても、互いのモノ・スキルをシェアすることで生き延びられるんじゃないの?」
「貨幣ではなく、思いやりで世界を回すつながりを作ろうよ」
こんな疑問や想い、思想が込められた取り組みです
金なし生活の間、ボイルさんは毎週のように「フリースキルの集い」に出かけ、新たな出会いや技術の習得によって、モノ・スキルだけでなく、生活の豊かさも得たというようなことを文中で語っています
ボイルさんが実際に利用したもの以外にも色々なコミュニティ・サービスがあるらしく…
・カウチサーフィン:自宅の空きスペースに無料で泊まれる/泊められるサービス
・本の交換会:読まなくなった本と読みたい本を交換できる。「Little Free Library」では不要本を置いて自由に読んでもらうことができる
今でいうシェアリングエコノミーのようなものですが、モノ・サービス自体だけでなく、人と人のつながりを重視したものを指すようです
私が体験したものは、ファーマーズマーケットでの「種の交換会」、大学の寮に入る時の「家具家電・自転車の譲渡会」ですが、コミュニケーションやつながりが生まれるものではありませんでした
日本にはまだ少ないかもしれませんが、シェアするマインドが広がっていけば、それを利用してお金をかけない生活に近づけるかもしれません
さいごに
以上、いかにお金をかけずに、物質だけでなく精神的にも豊かに生活する方法をボイルさんの本から紹介しました
ストレスフルな労働や、ブルシットジョブ、自然や人権をないがしろにしたビジネスでなく、ボイルさんが実践されているような温かなつながりの中で生きられる社会が実現してほしいですね
少しずつできることから始めてみましょう
では、また