【書評】社会不適合者でも生きる勇気をもらえる本2選

心配しすぎるなのイメージ オススメ本紹介

多様性、LGBTQ+
社会は、色んな人を受け入れられるようにしていこうと変わってきています

しかし、長年の偏見はすぐには変わりません
加えて、「多様性」と言いつつ、多数派が想定する枠組みから外れたものが受け入れられるのは難しい状況です

そんな「生きにくさ」を抱える人が勇気をもらえるような小説を2冊紹介します

本記事をオススメする人
・自分の「普通」が周囲の「普通」と合わず、苦しんでいる方
・自分の「異常さ」と向き合うのが怖い人

※本記事はネタバレを含む可能性があります

『コンビニ人間』/村田沙耶香

コンビニのイメージ

コンビニに「自分の生きる場所」を見出す女性の物語
度肝を抜かれたのは、「普通」のフリをしつつ、天性のコンビニ店員として才能を発揮を発揮していること


無意識にコンビニの声を拾い、商品の並び方のおかしな部分やより良い並べ方に気づき、アルバイトから尊敬のまなざしを受けている場面が、主人公のコンビニ店員としての才能を表していると思う

でも、コンビニ以外では、自らの個性に対して「治った?」と無意識の偏見を受けているし、同じく「普通」とされない人間からも「お前は異常だ」みたいなニュアンスのことを言われ、主人公も悩む

しかし、就活してみたけど合わなくて、最後はコンビニ店員として生きることを決める

世間の「普通」でなくても、自分を活かせる場所があれば、生きられる希望をくれる作品だった

主人公の場合は、コンビニだったけど、推しや行きつけのカフェとかでもいいんじゃないかと思った

『正欲』/朝井リョウ

正しさのイメージ

登場人物は、水への欲求を抱える男女数人
警察官、ショッピングモールの販売員、学生と年齢も、職業もバラバラ

「『好き』とはこういうもの」を理解しつつも、「自分の『好き』はこれなんだ」と思ってしまう
「受け入れられないだろうな」と頭で考えながらも、「でもやりたい」と求めてしまう

「好きなことを、気が合う人とやる」サークルみたいな一般的に行われることが、内容の違いだけで、なぜ変な目で見られてしまうのか?

そんな葛藤と欲求の間で揺れつつも、手を取り合い目的を果たす瞬間が、なぜか心地よい作品だった

最終的には、望まない形で世間に解釈されるのでやるせない気持ちになるが、それでも社会の片隅でひっそりと生きている同士で「やりたい」を実現することができたのは、「救い」の場面だった

普通って誰が決めたんだろう 迷惑かけない限り自分らしく生きていい

自分で選ぶイメージ

私は、世間の「普通」「正常」に当てはまらなくて苦しくても、自分なりに生きようとる彼らを見て、「普通」なんて考えずに楽しく生きてやろうという気持ちになりました

「孤独でも自由ならいい」「皆と同じように」でなく、「『好き』を共有できる人と共にやる」
そんな小さくても楽しめる世界が広がっていけばと思います

では、また