どうも、クロモジです
今回は『社会的処方 孤立という病を地域のつながりで治す方法』を紹介します
地域で誰かの問題を解決する方法とは?
▼本書をオススメする人
- 医療・福祉業界に興味がある・学びたい
- 地域の課題を解決したい
- まちづくり・都市計画に興味がある・学びたい
- 市民と協力する場づくりに興味がある・学びたい
現代の問題には社会的問題が隠れている
貧困や病気などの問題の背景には社会的問題があるものが少なくありません
例えば、医療機関にもちこまれる問題の2~3割は社会的問題とされています
- 病院ない街に1人暮らし、認知症なのに、生き生きとしてる高齢者
- 設備の整った都市部で、心身共に問題ないのに、元気のない高齢者
①からは、病気でもその人らしく生きていけることを
②からは、病気でなくても、人との交流がなければ、元気でいられないことがわかります
他にも、子どもの貧困には、助けを求められるつながりの欠如などが隠れているでしょう
以上のように、表面だけでなく、背景にある社会的問題を考えることが重要です
▼社会的孤立という概念もあるようです
社会的によい状態も健康の要因
つまり、満たされて生きるには社会的に満たされているのも重要だということ
実際、世界保健機関(WHO)の定義でも示されています
健康とは、完全に、身体、精神、及び社会的によい状態であることを意味し、単に病気ではないとか、虚弱でないということではない
公益財団法人日本WHO協会,健康の定義 | 公益社団法人 日本WHO協会 (japan-who.or.jp)
しかし、日本は社会参加の頻度や人づきあいが先進諸国の中でも少ないと言われています
- 全世帯に占める単身世帯
1990年~2015年で23 %→35 % - 生涯未婚者率
1990年から2015年で男性6 %→23 %、女性4 %→14 % - 会話頻度が2週間に1回以下
2012年~2017年 高齢単身世帯7 %→9 %、非高齢4~8 % - 頼れる人がいない
「(子ども以外の)介護や看病…」高齢・非高齢単身者、ひとり親世帯40 %
(国立社会保障・人口問題研究所, 生活と支え合いに関する調査|国立社会保障・人口問題研究所 (ipss.go.jp))
以上のことから、社会的によい状態を目指す取り組みが必要なわけです
▼喫煙、飲酒、肥満より深刻な健康課題・孤独とは
社会的処方は地域の資源で誰かの問題を解決できる
社会的処方は地域で誰かの問題を解決し、社会的によい状態を目指すものです
編著者・西さんは社会的処方について
人がもつデコボコをありのままに生かし、生きがいに注目し、幸せを追求していくためのアプローチだ
『社会的処方 孤立という病を地域のつながりで治す方法』,西智弘編著,学芸出版社
…「没頭、熱中、表現の場づくり」をしていくということ。
問題を抱えている人自身の強みや才能を活かすことに着目しています
加えて、一方的に「健康にしてあげる」のではないということも大事だとい言います
しかし、一方的に相手を弱者扱いし上から目線であまりにも他人ごとのように聞こえないだろうか
『社会的処方 孤立という病を地域のつながりで治す方法』,西智弘編著,学芸出版社
「一緒にやりませんか?」「料理うまいから今度作ってくれませんか?」
誰もが活躍できる場があれば、誰もが人とつながり社会的に満たされます
▼続編もあるようです
まとめ:私たちの活動が地域の誰かを元気にできる
「社会的処方」と聞くと、目新しい取り組みのように聞こえます
しかし、西さんは特別なことではないと述べています
市民ひとりひとりの活動が誰かの「お薬」になります。
「何か特別なもの」「自分には関係のないこと」のように思える方もいるかもしれない。
『社会的処方 孤立という病を地域のつながりで治す方法』,西智弘編著,学芸出版社
しかし、これは日本でも昔からあった「地域におけるおつとめ」とか「住民同士での学び合い活動」という部分も大きい。
経済活動でなくても、小さな取り組みでもいい
「世界を変えられる活動なのか?」という声もあるでしょう
それでも「社会的処方」は確実に、誰かの世界を変えることができるでしょう
- 隣のおばちゃんと一緒にご飯を食べてみる
- 地域の子どもたちにカレーを振る舞ってみる
皆さんも、小さな一歩から、始めてみませんか?
では、また